ダブル王子さまにはご注意を!
「金は確かにある。だが、条件で“自力で解決しろ”と言われたから、頼るわけにはいかない。オレたちだけで見つけないと解決したとみなされない」
「条件? なんの話?」
昨日聞いてなかった単語に、ついつい興味が引かれて訊いてしまったけど。
「……受けるなら教える」
イケメン様は長い足を止めた後にボソッとそう呟いた。
「受けるなら……って。強引に私を巻き込んだのはそっちでしょう! 昨夜なんて店を潰すなんて笑顔で脅してマンションに連れ込んだくせに、今さらなに言ってんの!?」
ついついムカッ腹が立って、詰ってしまった。昨夜からの売り上げの代償が大きすぎてかなりストレスが溜まってたみたいだ。
なのに、イケメン様は眉間にシワを寄せて耳を疑う発言をした。
「そんなことまで言ったか……それは……申し訳ないと思う」
はぁ!? と私が目を剥いても仕方ない。うん、周りのお客さまからの目にやっと気付いたこともね。ここの店員の証しである黄色いブルゾンを着て、モデム並みのイケメン様と言い争いしてりゃ嫌でも目立つわ。
「ちょ、とりあえず車かどっかに……じゃなかった! そこのベンチで話そう。そうしよう」
今度は私がイケメン様の背中をグイグイ押して、柱と自販機の陰にあるベンチを目指した。