ダブル王子さまにはご注意を!
すると、プーなんて奇妙な音が聞こえた。え、もしかするとへ? なんて後ろを振り返れば……肩を揺らし笑いを堪えてる一樹の姿が。
今のどこに笑える要素があったんだ? と首を傾げてると、彼はチラチラと私を見ながらやっぱり笑う。
何か頭にきて腰に手を当てながら一樹を問い詰めた。
「ちょっと! なんで私を見ながら笑うのよ」
「いや……だっておまえ…………う、内気って……信じられね……くくっ……イテッ!」
「ああ~ら、ごめんあそばせ! 足が滑ってしまいましたわ。おほほほ」
スニーカーとはいえ、爪先で脛を蹴れば痛いだろう。涙目で脛を抱えるバカは放っておき、久しぶりに公園に足を踏み入れた。
10月も4時を過ぎればかなり日が傾いてくる。何もかもが茜色に染まりつつある中で、柵から下を見れば街の光景が広がってた。少し遠いけど水平線が見える海も。
「これはなかなか見事な景色ですね。もっと日が暮れればあの海に映えて美しいでしょう」
「そうだよ。朝日も綺麗なんだけど、私的には夕日がベストって思う。ここが一番のお気に入りでね……実家にいたころはしょっちゅう見に来てたよ」
夏樹も隣でこの景色を感嘆してくれてる。感動を共有できる人がいるって、なんだか嬉しかった。