ダブル王子さまにはご注意を!
「ここは変わんないな……ほら、近くに池があるでしょ。男の子がよく釣りしてたけど、ろくなもの捕れなかったみたい」
「ああ……あれか」
一樹と一緒に欄干から池を眺めると、緑色に濁った池からちょうどカメがひょいと顔を出す。それを見た一樹とカメの視線がぶつかり、次の瞬間彼はなぜか手に顔を当てて体を揺らし始めた。
「……なによ?」
「いや……あのカメ……目付きがおまえそっくり」
「は!?」
カメ? カメと私が似てるって……。
「いや、顔だけでなくいろいろと似てるな。ありのまま過ぎるところとか……ククク」
ありのまま過ぎるって……それって。
「わ、私があんな顔みたいって。行動も鈍いって言いたいわけ?」
「違うのか?」
「く……は、反論できない……」
違う! と言いたいけど。眠そうな細い目とか、のったり鈍そうなところとか。のんびり過ぎるところとか。似すぎてて否定できやしない……。
がっくり肩を落とした私に、一樹は肩を軽く叩いてきた。
「自覚があるだけでなく、素直に認められるならマシだ。もっと前向きに捉えて改善すりゃいいだろ」
「……改善て……」
くたびれたグレーのパーカーとジーンズを見下ろして、ため息をつく。一応、励ましてくれたとはわかるけど。なんか嬉しくない。