ダブル王子さまにはご注意を!
「はれ? そういえば夏樹は?」
ミドリガメとにらめっこしてから、すっかり存在を忘れてた夏樹のことを思い出した。
「ああ……夏樹ならもうすぐ着くだろ」
のんびりとした口調で一樹は言うけど。は? と耳を疑った。
「え? 夏樹まだ階段昇ってんの? ま、まさか体調でも悪い? それとも病気持ちなの!?」
思わず心配になってベンチから立ち上がると、慌てて階段に走る。一樹からは「心配要らないがな」と聞こえたけど。たかだか20段かそこらの階段を30分で上がれないって。何かあったとしか思えないんだけど。
「夏樹!……あ」
私が階段を覗き込んだ直後、まるでゾンビのように手が伸びてきて腕がガシッと掴まれた。
「ま、真由理さん……お、お待たせしました……」
爽やかなイケメン様は……
信じられないほどに体力がなくて、たかだか20段の階段でゾンビと化してましたよ。
それでも麗しい笑顔は輝くばかり……顔は真っ青でしたがね。