ダブル王子さまにはご注意を!



で。


店内に入った途端に目を剥いた。


ベージュを基調とした落ち着いた店内にはクラシックが流れてて、ディスプレイされた品物は一目で質が違うと判る出来栄え。しま○らやユニ○ロをヘビロテする私には、少なくとも入ろうとも思わないブランドショップだった。


「あら、このシャツステキ。敦(あつし)にねだっちゃおうかな~」


香織はごく自然に店内で物色を始めたけど……プライスを見て目がポーンと飛び出すかと思った。


シャツ一枚で9万て……。


ワンピなんぞは私の手取りを遥かに超える金額。ドレスは下手すると半年分以上。もはや生きる次元が違うとしか思えないんですが。


まさにガクブル状態で冷や汗をかく私に、香織は当然のように言ってきた。


「ほら、真由理も好きなの選んだら?」

「と、ととととんでもねえでございますだ! お代官様、どうかお慈悲を」


混乱して思わず訳のわからないことを口走ると、夏樹が微苦笑してとんでもないことをのたまってきた。


「支払いはこちらで持ちますから、気にしないでください。手伝っていただくお礼にもなりませんが」

「は、はぁ!? こここ……こんな高いもの、私には合わないから!」


しま○らとユニ○ロでセール980円のシャツすら高いと躊躇うど庶民が、その百倍のシャツなんぞ身につけられるわけないでしょう!


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