ダブル王子さまにはご注意を!



「どうぞ、お好きな石を選んでください。それに合ったアクセサリーをデザインして作らせますので」

「え……っと」


夏樹に遠慮するなと言われたけど、見るからに高そうな柔らかく光沢のある布の上に置かれた宝石の数々。大粒のものがこうもたくさんあると、その辺りのガラスで出来たイミテーションと変わらないように見える。

……ていうか私は普段アクセサリーなんて身につけないから、宝石の善し悪しなんてさっぱり判らないんだけど。


透明なのがダイヤモンドで、赤いのがルビーで、青いのがサファイアで、緑色がエメラルド。そんな程度の知識しかありませんよ。


「え……と」

「きゃ~! 綺麗なエメラルド。ね、これってペンダントにするとどんなデザインでも合うと思わない?あ、これアレキサンドライト?一個欲しかったんだ~」


親指の先大の色鮮やかなエメラルドと、何だか地味な紅い石を手にした香織がはしゃぐけど。


「エメラルドはルースで300万ほどで、アレキサンドライトは580万ほどでございますね」

「そんなに気に入ったなら両方プレゼントするよ」

「え、ホント? やった~嬉しい! ありがと~」


目玉がポーンと飛び出すかと思えた。


店長の言い値に平気で両方買うという夏樹も、平然と受け取るという香織も。


ていうか。恋人同士でもないのに、ちょっとした協力でうん百万分の宝石をポンとプレゼントて。スケールが違いすぎる……。正直ついていけませんよ。


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