ダブル王子さまにはご注意を!
で。
ノンアルコールなはずなのに、一本飲んだだけで私はクダを巻いて一樹に絡んだ。
「……ってさ、ね~! 早乙女、ふざけんじゃないわよ!って感じィ」
つまみのスルメを噛みちぎりながら、早乙女さんのグチを一樹に溢した。
「ぶ……夏樹に聞かせてやりてえな。“おまえを好きな男がいるぜ”って」
「それ、いいかもね! いっそのこと夏樹に女装してもらえば、いいんじゃない?華奢だし似合いそう~」
私が思いついたままに口走ると、何だかいいアイデアかもと思えた。
なのに何だか知らないけど、一樹が押し黙ってしまいましたよ。視線を落として何だかつらそう……盛り下げちゃったかな、と私はアハハと笑う。
「あんまりしつこいようなら断るために、一度だけ女装してこっぴどい振り方をしてくれれば……って誰得? って話だよね、そんなの」
ペシペシと額を叩くと、ハッとした顔で一樹が止めてきた。
「おい、やめろ。まだ検査の結果は出てないんだろ? また気絶したらどうする」
「だいじょうぶ~だって! みんな大げさなんだよ。私は元気です~!」
あ~何だかふわふわして気分がいい。アルコール入れてないのにおかしいな。
「おい……あ」
やべ、これ発泡酒だったとかの一樹の呟きが聞こえたけど。気にしな~い!