ダブル王子さまにはご注意を!



「ね~あんたはどう思う……って、寝てんのかい!」


独り言みたいな愚痴がつまらなくなって一樹に話を振ってみれば、よりによってヤツはまぶたを閉じてやがった!


「お~い! そりゃないでしょ! 私一人壁に向かって話してるみたいなもんじゃない。違う意味で頭が心配されるでしょ!」


ぺちぺち、と頬っぺたを軽く叩いてみたけど、反応なし。腕と脚を組んでるヤツはすやすや寝入っておった。


「………」


改めて、まじまじと顔を見てみる。


やっぱり憎たらしいくらい整った顔。ふたごの兄弟だから夏樹に瓜二つなのは当たり前だけど、何だか一樹の方が好みだな……なんて思うのはどうしてだろう? 顔のパーツも配置もまったく同じなのに。


「えいっ」


むにゅ、と頬っぺたを摘まんでみた。すべすべした肌もうらやましいけど、やっぱ脂肪が少ない……と落ち込む。シャープなラインの顎は当然二重ではございません。


「くそ~なんでこんなに綺麗な顔立ちなんだ。モテてんだろ~この!」


完全に八つ当たりで一樹の頬っぺたを引いた。柔らかい頬が伸びて面白い顔になるから笑いを堪える。


やり過ぎるとさすがに形が変わるからいい加減に離せば、ちょうど一樹の顔が向こうに向けられた。不愉快だったのか眉をしかめて笑いを堪えるのが大変だった。


「ぷぷ……頬っぺたがおたふくになったらモテないね」


< 93 / 235 >

この作品をシェア

pagetop