Pathological love 番外編

出勤初日という事で、赤坂部長に定時退社を命ぜられた私は、その足で親友の友の家に来ていた。


「令ちゃ~ん!!おかえり~!!!」


ドアを開けた途端、飛び出す様に友が抱きついて来た。

肩を震わせて、私の首に腕を回して縋る。


「ごめん友…………ごめんね?」


「ううん…………いいの、令ちゃんが元気になったらそれでいいの。」


「友………………ありがとね……。」


友は泣くのを堪えている様な困った顔で、精一杯笑って見せた。

私はそんな彼女に、また愛しい気持ちでいっぱいになる。


「ごめんね令ちゃん……泣いたりなんかして……。折角会いに来てくれたのに……はい、ティッシュ…………。」


「フフッ…………二人して顔ぐじゃぐじゃ。」


「ブッ!!本当だ、フフッ!!」


二人で鼻をかみながら、今度は二人で大笑いした。


「ありがと…………あぁ~久し振りに大泣きしたら、何かスッキリした!!」


「すっきりした?何か悩み事でもあったの?」


「えっ?!」


予想外のツッコミに、一瞬言葉に詰まる。


「ううん!何にも?」


「令ちゃ~ん?バレバレなんですけどぉ?」


「……………………悩みって言うか……何て言うか……。」


友の瞳がキランと光った気がした。

前のめりに私を覗き込むと、ニコッと笑う。


「な~に?」


「あ~もぅ…………本当にくだらない事なんだけど……。」





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