いきなり花嫁とか、ふざけんなです。




「ルル。お前の目で、確かめてくれ。」





確かめる……?

その言葉に、思わず目を瞬かせてしまいます。


「何を?」


「『魔法使い』にシルドレッドがやったことを。」



『魔法使い』にシルドレッドが、やったこと_________?


ラナンに送り出したことでしょうか?

でも、それは納得しているから、ラナンを滅ぼしたのではないのですか?


「どういう_______」


ことですか、とは続けられませんでした。

というのも、


「ほらよ、出来たぜ。」


暗くなった空気を早く変えたいかのように、ソルデは、明るい声で遮ってきました。


……あっ、そういえば、今まで、会話に集中していて、髪のことは忘れていましたね。


せっかくやってくれたので、一応自分を見てみましょう。

早く見て、早くさっきの続きを聞きたいのです。


ということで、一旦、会話を止めて鏡の中の私を見ます。

今まで、鏡に映るソルデの表情を見ていたので、自分は見ていなかったのです。

ちらり。



「っ、わぁ……。」



……綺麗。

ありがとうございます、の一言でさっさと話を戻そうと思っていましたが、出たのは感嘆の吐息でした。

今まで下ろしていた髪は、複雑に編み込まれて片側に寄せられています。

それは、まるで花のよう。

お茶会やパーティーにして行っても、なんら問題のないような髪型です。

派手すぎず、だからといって地味ということは決してない、上品な仕上がりになっています。


「似合うじゃねぇか。」


得意げに、ソルデは笑いました。


「……凄い。」


素直な感想を言いました。

まさか、こんなことまで出来るなんて。

すごく、驚きました。



でも、ソルデは少しだけ不満そうです。



「リボンがありゃ、もっと華やかになるんだがな。」


いえ、充分ですよ!

本当に、凄いです!

……でも、ソルデにはソルデのこだわりがあるんでしょう。

それが分かるから、あえて何も反論せずにおきます。


「ありがとうございます。」

「おう。……つっても、ぐしゃぐしゃにしたのは俺だけどな。」



そういえば、そうですね。
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