いきなり花嫁とか、ふざけんなです。


お次に、手をつけたのはスープ。

かぼちゃのスープです。


金色のトロリとした、ほっかほかのスープ。


まぁ、かぼちゃはきっと、ウチの土地の方が美味しいですもんねー!


昨日、おじいさんから貰ったかぼちゃで作られたスープの味を思い浮かべます。

……うん、あれは絶品でしたね。



早く、シルドレッドに帰りたいです。



そんなことを思いながら、スープを口に運んで……




「あれ……?」




うん?


あ、いや、美味しいですよ?

うん、美味しいのです。

昨日のスープと、負けず劣らずなくらい。


……というか、味が同じな気が。


「ん?どうかしたか、ルル?」


私が、不思議な顔をしていたのでしょう。

それにいち早く気がついたのは、ソルデです。


聞いてみましょう。


「ねぇねぇ、ソルデ。このスープのかぼちゃって、ここの国のですか?」

「え?」


そんなことを聞かれるとは思わなかったのでしょう。

一瞬、ポカンとしてからソルデは答えてくれました。


「……あー、俺はどこのかとか分かんねぇ。」



……そうですか。

まぁ、どの食材がどこから仕入れたものなのかなんて、一々気にする人は稀でしょう。

ソルデが知らないのも、当たり前といえば当たり前です。


「悪ぃな。」

「いえいえ。」


気にしてませんよ、と首を振っておきます。


うー。

どこのかは分かりませんけど、あのかぼちゃと同等の美味しさを出せるかぼちゃがあるとは。

なんだか、ちょっぴり悔しいですね。


あ、でも勿論、そんな理由で残したりなんかしませんよ。

全部食べますとも!


もう一度、口にスープを運び……

「ん~♡」

あぁ、美味しいです……!


そうやって、味を噛み締めながらスープを飲みます。




……私が、スープを半分くらい飲んだ頃でしょうか。


今度、言葉を紡いだのは、優雅な声でした。


「……時に、ソフスリー嬢。」

「はい?」


声のした方、つまりハルクさんの方に顔を向けます。

と……。



キラキラキラキラ



笑顔のハルクさんと、目が合いました。


……うっ。

なんか、胡散臭いキラキラオーラが見える気がします。


気のせいですよね!

うん!

……うん!!


で。

ハルクさんから問われたのは、意外なことでした。



「午後の予定は、何かありますか?」



…………。

ん?

え、それを私に聞くのですか?

攫われてきて、まだ少ししか経ってない私に?

嫌味ですか?

嫌味なんですよね?



「……今日の午後の予定は、どこかの誰かさんたちに、無理矢理潰されたのですが。」


と、いうことで。

『私、不機嫌ですよー』の声で、返しておきます。


が、ハルクさんのキラキラの微笑みは、崩れることなんか、ありません。

そのまま、


「ご予定はないのですね。それなら、城の案内をしようと思うのですが、どうです?」


華麗なる嫌味返しのスルー。

というか、「どうです?」って言われても、こちらに拒否権ないですよね。

絶対に行かなくちゃダメなパターンですよね。


案内なんかいりませんから、シルドレッドに帰して下さい。

とか言えたら、どれほど楽なのでしょう。


……でも、先程のソルデが言っていた、「本当のシルドレッド」というのも気になりますし。

どうせ、帰せと言っても、100%帰してくれないですし。


「…………。」


とりあえず、黙っていると、このキラキラ笑顔が怖いです。

「……お願いします。」

「お任せ下さい。」


ニコリ。

微笑まれます。



……だーかーら、なんか、なんとなくその笑顔は怖いんですってば!







と、いうことで。

私のご飯後の予定が決まりました。







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