いきなり花嫁とか、ふざけんなです。
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆


「むぅ。」


読んでも読んでも、なかなか良い獲得なんかありません。

気分が悪くなるだけです。

一冊読むのに、これだけ時間がかかってしまうなんて、予想外ですね……。

周りのジャンルに比べたら少ないとはいえ、確実に20冊はある本を読み切れるのでしょうか。


1日目にして、もう心配です。


「……でも、心配とかしてる時間は勿体ないですね。」


早く、シルドレッドに帰るのです。

家族に、早く会いたいです。

そのためには、これをやらなくてはなりません。


……それにしても、エゼナはなぜ私にこんなことをさせるのでしょうか。

本っ当に、何考えてるのか分かりません。

このままじゃ、あの王様の変態な趣味と取りますよ!


そんなことを考えながら何気なく横を向くと、そこには窓があります。

ピカピカに磨かれた、私の背丈の3倍はある大きな窓。

それの外は、オレンジ色の夕日がゆっくりと沈んでいくところでした。


「……綺麗……。」


ほう、と思わずため息が漏れました。

それは、夕日が綺麗というよりも、疲れを多分に含んだものであるということは、自覚しています。


……なんででしょう。

夕日を見ていたら、急に不安と孤独感がグッと押し寄せてきました。

夕方特有の、なぜか悲しくなる現象でしょう。

それは不思議なもので、どんどんと強くなっていくのです。


私の中の、弱い私が呟きます。






私……生きて帰ることができるのでしょうか。






「……灯りを持ってきましょう。」


そんな気持ちに押しつぶされないように、私はそれを考えないようにしました。

ふるふる、と頭を振って違うことを考えます。


暗くなってしまったら、本を読むどころか、この広い本棚だらけの部屋から出るのすら危ないです。

その上、私、方向音痴ですし。

絶対、出口が分からずふらふら歩いて、足をぶつけて、悶えるパターンですよね。


ということで、出入口に向かいます。

大体、扉付近にランプとかありますから。


「あ。あった。」


思った通り、ランプはすぐに見つかりました。

古めかしくゴツゴツとした、深い赤色のものです。

……おお、いかにも書庫にあるランプって感じですね。

私的には、もう少し小さめの可愛らしい丸いのが好みなのですが。


そんなことを思いながら、扉の隣の小さな机に置いてあるランプを取ろうとして_____


ガチャッ!


「わっ!」

「ひゃっ!」


……思わず、声を上げてしまいました。

だ、だって驚いたんです!

急に、扉が開いたんですもん!


その扉を開いた少女は私の声に驚いたようで、女の子らしい、高い声で私の声のあとに小さく悲鳴をあげました。


……そう、少女。


扉を開いたのは、10歳くらいでしょうか?

それくらいの、まぁなんとも可愛らしい女の子が、ちょこんと立っているではありませんか!


色素の薄い緑色の髪に、ピンクの頬。

リスのようにクリクリの目は、見るだけで保護欲をそそられます。

将来、美人さんになること間違いなしの可愛い子ちゃんです!!

うわぁぁ、女の子です!!


……ごほん、変態ではありませんよ。

でも、可愛い女の子は目の保養なのです!



「えっと、えっと……は、はじめまして。マリィといいますです……!」



可愛い子ちゃん……マリィちゃんは、ぴょこんと頭を下げました。


< 43 / 45 >

この作品をシェア

pagetop