いきなり花嫁とか、ふざけんなです。

「ルルノリアです。」


こちらも、反射的にペコリ。

顔を上げると、マリィちゃんは酷く緊張した表情をしていました。

うーん、私、顔怖いですかねぇ?

ということで、とりあえずニコッと微笑んでおきます。


「あ……。」


それがよかったのでしょう。

マリィちゃんは、少しだけほっとした表情をしてくれました。

うん、よかったよかった。


「よければ、ルルと呼んで下さいね。」

「は、はい!……ルル…お嬢さん?」


ん〜〜♡

上目遣いで聞いてくるその表情の、なんとも可愛らしいこと!

今日、一番の癒しですよ!

きゃーーー!

思わず抱きしめたくなっちゃいますね!


「そーんな、かしこまらなくて大丈夫ですよ。」

「な、なら……ルル、さん?」

「んー、別に『さん』もいりませんよ。」


だって私、ここの貴族とかじゃありませんしね。

それにそれに、こんな幼くて可愛い子ちゃんとはぜひ仲良くなりたいではありませんか!

母性本能がキュンキュンします!


……マリィちゃんは、


「で、でも……おにーちゃまが歳上の人にはちゃんと『さん』をつけなさいって……。」


聞きました!?

おにーちゃま、ですって!!

恥ずかしそうに頬を染めながら、一生懸命マリィちゃんはそう言いました。

うん、可愛い。

しかも、恥ずかしがりながらもしっかりと言いたいことを言える、しっかり者の子のようです。


私は、クスリと笑って、


「分かりました。では、さん付けで。……お兄さんの言いつけを守れて偉いですね。」

「……!はい!」


その言葉が、嬉しかったのでしょう。

マリィちゃんは、赤い頬をさらに赤くして、首をブンブンと縦に振ります。

よほど、お兄さんのことが好きなのですねぇ!

私はひとりっ子なので、そういうのに少なからず憧れがあります。

幼き頃、母さまと父さまに、「誕生日プレゼントに妹か弟が欲しいです!」と無茶を言ったのは私です。

てへ。

あ、勿論、却下されてしまいましたよ。


話がそれました、今はマリィちゃんです。


「私は、マリィちゃんと呼んでもいいですか?」

「はい……!」


マリィちゃんは、すぐに頷いてくれました。

うふふ。

私もこんな妹ちゃんが欲しかったです。


「えっと……ルルさん。」

「はい?」

「その……夜ごはん、おにーちゃまたちは忙しいから、リィと食べないですか……?」


あぁ、とその一言で、マリィちゃんがここに来た理由が分かりました。


「呼びに来てくれたのですね。」

「は、はい……!ダメ、ですか……?」


コテン、と首を45度に傾けるマリィちゃんの愛らしさは百点じゃ足りません!!

あぁ、もう!

この可愛い子ちゃんのお誘いを断れるはずがないではありませんか!!



「ダメなんかじゃないです!ぜひ、一緒に食べましょう!」



マリィちゃんの顔に、安心した笑みがゆっくりと広がりました。






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