イジワルな彼に今日も狙われているんです。
「だって、事故とはいえ告白の現場に居合わせてしまったわけですし……弁解も含めて改めて謝罪を」
「やめてやれよ。どんな羞恥プレイだ」
呆れたように尾形さんは言うけど、私もすぐには引けない。
「でも……私、あの人の告白のセリフまで聞いてたわけじゃないんですよ。尾形さんのテンプレートなお断り文句だけで」
「なんであれがテンプレだって知ってんだよ。いや、じゃなくて、向こうからすれば自分が振られたときの話蒸し返すとか鬼かおまえは」
一瞬前のめりになった尾形さんが、それでもすぐ姿勢を正しやはり呆れ顔で諭してくる。
……たしかに、あの人にとっては思い出したくない記憶になってるかも。いや、うん、でもなあ……。
未だ納得しきれていないのが顔に出ていたのだろうか。尾形さんがため息を吐いて、木目調が立派なテーブルに頬杖をついた。
「まあ、ヒントをひとつ与えるとしたら、10階のフロアにいる人ってだけだな。あとは教えねぇ」
「おお……」
やっぱり、なんだかんだで私に甘い尾形さん。フロアだけだとまだ結構範囲は広いけど、完全には拒絶しないあたりに彼のやさしさを感じる。
手元に届いたばかりの2杯目のワインを手に、私は思わず微笑んだ。
「ありがとうございます。うーん、10階かあ……派遣の私は、あんまり踏み入れたことないところなんですよねぇ……」
つぶやきながら、くるくるとグラスの中で琥珀色の液体をまわしてみる。あ、これもいい匂い。
尾形さんは私の発言に気になる部分があったらしく、「あ?」と口に運びかけていたトルティージャを離した。
「やめてやれよ。どんな羞恥プレイだ」
呆れたように尾形さんは言うけど、私もすぐには引けない。
「でも……私、あの人の告白のセリフまで聞いてたわけじゃないんですよ。尾形さんのテンプレートなお断り文句だけで」
「なんであれがテンプレだって知ってんだよ。いや、じゃなくて、向こうからすれば自分が振られたときの話蒸し返すとか鬼かおまえは」
一瞬前のめりになった尾形さんが、それでもすぐ姿勢を正しやはり呆れ顔で諭してくる。
……たしかに、あの人にとっては思い出したくない記憶になってるかも。いや、うん、でもなあ……。
未だ納得しきれていないのが顔に出ていたのだろうか。尾形さんがため息を吐いて、木目調が立派なテーブルに頬杖をついた。
「まあ、ヒントをひとつ与えるとしたら、10階のフロアにいる人ってだけだな。あとは教えねぇ」
「おお……」
やっぱり、なんだかんだで私に甘い尾形さん。フロアだけだとまだ結構範囲は広いけど、完全には拒絶しないあたりに彼のやさしさを感じる。
手元に届いたばかりの2杯目のワインを手に、私は思わず微笑んだ。
「ありがとうございます。うーん、10階かあ……派遣の私は、あんまり踏み入れたことないところなんですよねぇ……」
つぶやきながら、くるくるとグラスの中で琥珀色の液体をまわしてみる。あ、これもいい匂い。
尾形さんは私の発言に気になる部分があったらしく、「あ?」と口に運びかけていたトルティージャを離した。