咲くやこの花、誠の旗に
「そんな理由で髪を切る奴初めて見た…。」
半ば放心状態の平助をよそに、近藤は感心するように唸る。
「未来とやらの常識と今の常識とではだいぶ掛け離れているのだなあ。」
「ちょっ…、近藤さんはこいつが150年も先から来たって信じるの!?」
平助は身を乗り出して叫んだ。
「この子がここまで上手い嘘をつくような子にも見えんしなあ…。
何よりこの着物もどう考えてもこの時代の物ではない。異国のもの…とも考えられるが、簡単に入手出来るものでもない。
顔はどこからどう見ても日本人だ、異国人という事も無いだろう。
よって、私は咲耶くんの話を信じるぞ!」
そう言ってから近藤は歯を見せニカっと笑った。
(近藤さん…!なんていい人なの…!!)
近藤の人の良さに感動した咲耶は涙ながらに床に突っ伏し、
「あ、あああありがとうございますっっ!!」
と心から感謝を伝えた。
今の咲耶には近藤の"信じる"という言葉が何よりも嬉しかったのだ。