咲くやこの花、誠の旗に


近藤は頷いてから話し出した。


「咲耶くんをここに住ませるとして、寝る場所は食客部屋しかないのだ。

男だらけの部屋に女子を1人放り込むなんて如何なものかと思ってな…。」


「あぁ、新ぱっつぁんや左之さんあたりが変な気起こしかねないしなぁ…。」


悩む近藤と平助に、咲耶は首を振る。


「私なら構いませんよ!住ませて下さるだけで有難いですから。」


(この状況で我儘なんて言ってられないもんね。)


「う〜ん、しかしなぁ…。」


納得いかないような顔を浮かべる近藤に、平助が思いついたように口を開く。


「ならこいつに男装させたら?
男が同室ってんなら間違いも起こらないだろうし、食客としてここに入れるってことにしたら説明の手間も省けるし、一石二鳥だぜ!」


「男装…ですか。」


平助の言うことも一理あるが、どこからどう見ても女の自分が男装して人の目を騙すなんて出来るのだろうか、と咲耶は考え込んだ。


すると、近藤が咲耶の気持ちを代弁するかのように問う。


「それもそうだが…、咲耶くんのような女子が男装なんて本当に上手くいくのだろうか?」


「さっきも言ったけど女でそんなに髪の短い奴はいないし、男物の着物着ればそれなりに男みたいに見えるんじゃねえ?

試しに俺の着物貸すから着てみなよ!」


平助はそう言ってから客間を出て着物を取りに走って行った。


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