咲くやこの花、誠の旗に
咲耶は竹刀を受け取ると、既に竹刀を構えて待つ平助の前に立ち、同じように竹刀を構えた。
宗次郎が2人の間に立つ。
咲耶は竹刀をぎゅっと握り声を上げた。
「お願いします!」
「それではーー、はじめ!」
合図がかかると2人は互いの目を見据えながらジリジリと間を詰めていく。
咲耶は平助の様子を見て眉間に皺を寄せた。
(平助さん、まるで隙だらけじゃない…。
きっと私が女だからってわざと手を抜いてるんだ。)
油断しきっている平助に苛立ちを覚えた咲耶は一気に床を蹴り、竹刀を平助の頭上目掛けて振り下げる。
同時にパアァンと鋭い音が響き渡る。
全身に信じられない程の衝撃が伝わり、平助は目を見開いた。
そして女のものとは思えないその力に体勢を崩し顔を歪める。
「侮らないで」
咲耶は凍てつくような目をして冷たく言い放った。
その姿はさながら別人のよう。
平助はまるで幽霊でも見るかのような表情で咲耶を見つめている。
女である咲耶がここまでの強さを持っていたなんて夢にも思っていなかったのだ。
しかし咲耶はそんな平助の動揺を見逃さない。
咲耶は一旦少し後ろに引き下がると、再び床を強く踏みしめ平助に迫る。