純愛小説家
その時。
俺は改めて、本名も顔出しも、してなくて良かった…、思ったのを覚えてる。

じゃなきゃ。
もちろん、今も含めて、だけど。

こんなふうに、普通に生活どころか、恋愛なんて出来てなかっただろう。

まぁ、俺はタレントじゃないし。
顔出ししてたとしても、比較的。
日常生活に、支障はないかもしれないけど…。

行きたい時に行きたい場所へ行って。

会いたい時に、会いたいひとと会う。

そんな当たり前のことが、実は幸せなことなんだ…、知ったのは。

琴音と出会えたから、なんだろう。



映画公開前。

撮影をしてる頃は良かった。

琴音は売り出し中の女優。事務所側から恋愛は禁じられていたけど。

同棲はもちろん、つき合ってることも、事務所にナイショにしてさえいれば、特に問題はなかったから。

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