純愛小説家
同棲と言っても。
事務所側のこともあって、琴音は部屋を引き払ってウチにいたわけじゃなかったし。


『ごめん、宥。今日はあっちに戻らないと…』


いわゆる、半同棲、ってやつなんだろう。

でも…。

映画が公開になって、すぐに状況は一変した。

映画がヒットすると同時に琴音の注目度が一気に高まり。


「あれって、桜井 美莉じゃない?」
「マジで?」
「絶対そうだって!」


ふたりでの外出もしにくくなって。


『…ゴメンね。しばらく休みないみたいで…』


必然的に、琴音のスケジュールはいっぱいになった。

映画がヒットしたことは嬉しかったし、琴音の露出が増えたことも。
もちろん嬉しかった。

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