純愛小説家
ただ…。

自分で書いたものだからこそ、なんだろう。

琴音が演じたヒロイン。

まんま。

高校時代の三嶋で。


「っつーか。本人のこと知らないくせに。演技、うますぎ…」


観ていて、切なくなった。

どうしても。
拭いきれない想いが、蘇ってしまう。

どうしてあの時。
本気だと、気づけなかったのか。

どうしてあの時。
“誰も”いなかった、あの時に。
気持ちを、伝えなかったのか……───。

別に。
俺たちの高校時代を書いた小説じゃないし、高校時代がメインでもない。

それでも。
琴音の演技は完璧すぎて…。


「っ─────」


ストーリーに関係なく。
涙が出てきた。






「ひかり────」





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