ジャスティス
由良が背伸びをしてナイフを振り上げると、男は反射的に目を瞑った。
刺されると思ったのも束の間、男の左手に振動が伝わった。
一体、何をされたのだろうと思ったが、由良は男を繋いだロープをナイフで切ったのだ。
だが、それは切断ではなかった。
由良が離れると善一は、再び装置を操作し、男をプールの真ん中へ移動させた。
「なっ…ぁ…あ…やめろっ!!」
僅かな繋がりを残したロープは、男の重みに耐えきれずに徐々に切れていく。
ロープがバチバチと切れる感覚が左手首から伝わる。
先程まで、手首を抜いてプールに落ちて逃げようとまで考えていたはずの男だが、水面から自分目掛けて牙を向く夥しい数のピラニア達の姿に畏怖した。
最も、既に体力は限界、刺された腹の傷の具合からも、逃げられる余裕などないと悟ったのだ。
「次はあなたが煽られる番だね。サヨナラ」
由良は小さく手を振って微笑んだ。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ
男の心臓が破裂しそうなほどに高鳴り、背筋が冷たくなった。
刺された傷の痛みなど感じる余裕すらなく、男は繋がれたロープに手を伸ばした。
その瞬間、ブッと嫌な音を感じた男の体は一気に水中へと沈んだ。
視界に大きなピラニアが入り、次いで襲う体の痛み。
自分の回りに赤い血が漂い、襲いかかるピラニアを見た。
男は水中から体を出し、大きく呼吸をした。
その間にも全身に襲いかかるピラニアの群れは男の体を少しずつ噛みきり落としていった。
「うあ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
両手を振り上げ、体にまとわり付くピラニア達を振り払いプールから出ようとするが、力が入らなかった。
「やめ、や、めで…た、たのむ!!」
男の回りはじわじわと血が流れ、赤く染まっていった。
刺された腹の傷口にピラニアが食らい付き、男は力の限り叫んだ。
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
プールに響く男の叫び声。
ジェットバスのように激しい、水飛沫に囲まれる男。
両手をがむしゃらに振り回してプールサイドを目指すが、体に絡み付くピラニア達が、それをさせなかった。
柔らかい腹に食らい付き、由良が刺した傷口に侵入するように執拗に攻める。
容赦なく襲い掛かるピラニア達は確実に男の体を削り取っていく。
由良と善一は少しずつ力を削られて沈んで行く男をじっと見つめた。
「由良様、もうほとんど息はありません。あとは彼等が後片付けをするだけですよ」
善一が言うと、由良は無表情のまま頷いた。
「そうだね、もういいかな」
由良はプールから背を向けると部屋から出ていった。
善一は部屋に反響するピラニア達の食事の音を聞きながら、既に何も吊るされていない滑車をもとの位置に戻し部屋を出た。
刺されると思ったのも束の間、男の左手に振動が伝わった。
一体、何をされたのだろうと思ったが、由良は男を繋いだロープをナイフで切ったのだ。
だが、それは切断ではなかった。
由良が離れると善一は、再び装置を操作し、男をプールの真ん中へ移動させた。
「なっ…ぁ…あ…やめろっ!!」
僅かな繋がりを残したロープは、男の重みに耐えきれずに徐々に切れていく。
ロープがバチバチと切れる感覚が左手首から伝わる。
先程まで、手首を抜いてプールに落ちて逃げようとまで考えていたはずの男だが、水面から自分目掛けて牙を向く夥しい数のピラニア達の姿に畏怖した。
最も、既に体力は限界、刺された腹の傷の具合からも、逃げられる余裕などないと悟ったのだ。
「次はあなたが煽られる番だね。サヨナラ」
由良は小さく手を振って微笑んだ。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ
男の心臓が破裂しそうなほどに高鳴り、背筋が冷たくなった。
刺された傷の痛みなど感じる余裕すらなく、男は繋がれたロープに手を伸ばした。
その瞬間、ブッと嫌な音を感じた男の体は一気に水中へと沈んだ。
視界に大きなピラニアが入り、次いで襲う体の痛み。
自分の回りに赤い血が漂い、襲いかかるピラニアを見た。
男は水中から体を出し、大きく呼吸をした。
その間にも全身に襲いかかるピラニアの群れは男の体を少しずつ噛みきり落としていった。
「うあ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
両手を振り上げ、体にまとわり付くピラニア達を振り払いプールから出ようとするが、力が入らなかった。
「やめ、や、めで…た、たのむ!!」
男の回りはじわじわと血が流れ、赤く染まっていった。
刺された腹の傷口にピラニアが食らい付き、男は力の限り叫んだ。
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
プールに響く男の叫び声。
ジェットバスのように激しい、水飛沫に囲まれる男。
両手をがむしゃらに振り回してプールサイドを目指すが、体に絡み付くピラニア達が、それをさせなかった。
柔らかい腹に食らい付き、由良が刺した傷口に侵入するように執拗に攻める。
容赦なく襲い掛かるピラニア達は確実に男の体を削り取っていく。
由良と善一は少しずつ力を削られて沈んで行く男をじっと見つめた。
「由良様、もうほとんど息はありません。あとは彼等が後片付けをするだけですよ」
善一が言うと、由良は無表情のまま頷いた。
「そうだね、もういいかな」
由良はプールから背を向けると部屋から出ていった。
善一は部屋に反響するピラニア達の食事の音を聞きながら、既に何も吊るされていない滑車をもとの位置に戻し部屋を出た。