好きだと思うんですがっ!?

「いいってば。もう気にしなければいいんだし。ほら、人の噂も75日って言うじゃん?」

「でもさ、俺が言うのもなんだけど、それって結構……長くない?」

「……うん、そだね。長いかも……」


約二ヶ月。それって結構長いと思う。


励ますつもりで言ったのに、言った自分が肩を落とした。


「でも古柳くんも困るでしょ、サッカー部って人数多いから周りに色々言われそうだし」

「俺は全然いいよ。むしろ俺のせいな訳だし。それに……」

「それに?」


古柳くんが初めて照れたようで、それを困ってるようにも見て取れる笑顔を向けた。


「75日の間、浮田さんに悪い虫が寄ってこなくなるでしょ? 俺の事を彼氏と思って、さ」


あ、いやぁ〜……。


「あたし、そんなモテないから」


悪い虫なんて寄って来るわけがない。これは間違いなく、古柳くんの贔屓目ってやつだ。


「いやいや、なんせ浮田さんは鈍感だから」


うぐっ……それを言われると、強くは否定できない。


「あと、星野とか……」


古柳くんはスイッと視線を泳がせてぼそりと毒を吐いた。


思わずえっ、と聞き返しそうになったあたしに、満面の笑みを向けた。


「ごめん、性懲りもなくこんな事ばっか言って。俺、性格悪いね!」


なんて、爽やかに言われると、清々し過ぎて恨み言ひとつも出ない。


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