好きだと思うんですがっ!?
良かった……そう思ったのもつかの間。
「こんなところでなにやってんだよ」
あたしが覗いていた反対側から星野くんがぬっと現れた。
「わっ、バケモノ!」
「……誰がだよ」
これでもかってほど、星野くんはしかめっ面をあたしに向けた。
それでなくても既に睨みつけられてたというのに……。
「えと、いやその、ちょっと……散歩?」
「嘘つけ」
なんと表情を和らげることも無く、星野くんは毒をも吐き捨てるようにそう言った。
「ははっ……バレた?」
「いや、バレバレだろ」
力なく笑ってみせたけど、星野くんは一切笑顔を見せてくれない。むしろ呆れた顔をしつつ、まだ眉間にシワを残してる星野くん。
あたしはどう説明したらいいのかも分からなくって、ずり落ちそうになったスクールバッグを抱き抱えた。
さっきのくしゃみで鼻水が垂れそう。それを懸命に啜りながら、どーしたものかと考えてると、星野くんはポケットからティッシュを取り出した。
ほら、なんて言いながら差し出してくれたそれを見て、思わず。
「星野くん、女子力高いね」
なんて事を言ったら、さらに嫌悪感を剥き出しにされてしまった。
「それは、いらないって事でいいか?」
「あっ、いります! すみません、ごめんなさい、ありがとうございます!」
あたしがティッシュを受け取ろうとした時、星野くんは更に言葉を続けた。
「さっき、こっちから古柳も出てきたかど」
あー、そうですか。知ってましたか。
「あー、うん。そうだね」
なんて曖昧な返事をしつつ、ティッシュを受け取り、このなんとも言えない空気を破るように、あたしは鼻をかんだ。