好きだと思うんですがっ!?

ジャリ……。という星野くんが歩む足の音が鳴り止んだ。


思わずこぼしてしまった言葉。砂利の音にかき消されてしまったかと思った。

どんどん離れて行ってしまう星野くんに届くとも思ってなかった。


けど、彼は再び振り向いた。いや、彼の方を向いていないあたしは、それを確認できていない。


けど、きっと届いたんだと思う。そんな空気を感じる。

足音もずっとそこで止まったままだ。


静けさは恐怖だった。

なにか言って欲しい。違うなら違うって否定して欲しい。

でも星野くんはなにも言わない。いつもみたいに自意識過剰だとかなんだとかも言ってくれない。


だから、あたしは思わず訂正してしまった。



「……好き、だった、でしょ……?」



ねぇ、それは間違いないでしょ?


なんとか言ってよ、ねぇ。


だってそうでしょ? じゃなかったら、今までのドキドキはなんだったの?


ドキドキしてたのはあたしだけ?


好きになったのは、あたしだけ?


木田さんと付き合った後だと、それすら認めてもらえないの?


それなら、あの時に生まれたあたしのこの気持ちは、どうすればいいの?


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