好きだと思うんですがっ!?
「でも俺は付き合ってもねーのに抱き合ったりしてねーよ」

「へー、そうですか、そうですか。意気地がなかっただけでしょ?あたしにだって好きってちゃんと言えなかったくらいだし」


あっ、やばい。今の一言は地雷だ。

あきらかに、星野くんの空気が変わった。


「あー、そうかよ」


抱きしめられてあた手は、あっさりと解かれてしまった。

しまったと思った時にはもう遅い。あたしの悪いところが完全に出てしまった。


「……ご、ごめん。言い過ぎました」


空気の凍りつく音が聞こえる。それでなくても寒いのに、さらに冷やしてどうする。

さっきまで星野くんがその瞳に宿していた熱量が、風前のともしびに感じはじめて、あたしはさらに焦る。


「浮田だって俺を弄ぶみたいな態度とってただろ」

「そんな、つもりは……」


そんなつもりはこれっぽっちも無かった。

無かったけど……あたしが星野くんの事が好きだと気づくまでの間、あたしは星野くんから送られてくる何かしらの“好意”を心地よく思って、結果、関係をこじれさせた。


だからーー。


「正直な話、星野くんを好きだって気づいたのはほんのここ数日の話だから……弄ぶつもりは一切なかったけど、無意識にそんな態度を取っていたのなら、ごめんなさい……」


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