溺愛されてもわからない!
まっすぐ伝える

そして次の日。

今日は土曜日。
テスト前の週末……あぁリアルって嫌い。

「ご心配かけました」
朝からおでかけなのか
和彦さんは早めに朝食を終わらせ
田中さんと打ち合わせをしておでかけ寸前。

私が声をかけると和彦さんは(まだお父さんってスッと出て来ない娘……ゴメン)心配そうに「無理しないで」と、優しい声をかけてくれた。私はそのまま玄関まで2人を見送ると、和彦さんの携帯が鳴る。和彦さんの電話中、田中さんが私にサラッと「昨日のヤツに復讐したい時は、すぐ言って下さい」そう言った。

復讐って何?

「腕の一本ぐらいは軽くやれますから」

「いや違います!復讐とかってありえない。ぜんぜん問題ないですからっ!」

必死に言うと「了解しました」って、面白くなさそうな声。
やめてー。

「今日は早いんですね」

会話の内容を変えよう。

「取り立てがあるので、逃げられないうちに行きます」

なるほど。
お仕事お疲れ様です。

だいぶ慣れてきましたよ私も。

和彦さんの会話は続き、私は田中さんとツーショット。
沈着冷静な田中さん。
これから雫さんに電話をする私。
勇気とアドバイスをもらいたい。

「田中さん」

「はい」

「恋する女子高生にアドバイスを下さい」

私がそう言うと
田中さんは私の顔を見つめる。
端整な金髪ライオンさん。
東大卒のインテリ極道さん。

お言葉下さい!
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