少女たちの選ぶ道

中学二年の春、長い始業式。

やはりマイクが目の前にあると喋りたくなってしまうのか、もしくは春休みの間に何かがあり喋りたくて仕方がないのか知らないけれど校長先生の話は溜息がつくほど長い。


パイプいるにずっと座って、どうでもいい話を聞かされている私ら生徒の身にもなってほしい。


春休み明けだから私を含め皆は寝不足だろうし先生たちも欠伸をしている。


始業式と普通ならないであろう授業とHRが終われば家に帰れる。

午後下校とか最悪。

帰りたい、息が詰まりそう。


私の隣に座っている優子なんて呑気に寝てる。私も寝たいけどパイプ椅子に座りながら寝れるような器用なことが出来ないから寝れない。


校長先生の無駄な長話が終わり、っあ…解放される…と思ったけど詰めが甘かった。


私たちが“ゴリラ”と呼んでいる生徒指導の先生の話が始まった。

春休みをどう過ごしていたのか、二日後には新入生が入学してくるため皆は先輩としての心がけを、とか話している。


そんな話はHRですればいいじゃないかと思った。担任が話せばいい。わざわざ始業式の時に話さなくてもいいじゃない。


三年生は高校受験のために勉学を怠らないこと。二年生は先輩となるのだから気を引き締めて行動するように。とか言われなくてもわかってるから。


校長先生と生徒指導の先生の話を合わせて三時間。

そろそろ暑くて汗が出てきそう。

春なんだからカーテン閉めなくてもいいじゃん。窓開けて春の風を私たち生徒に当たらせてよ。


中学生ならこの程度の暑さに負けるな、慣れろ!と無茶な事を言う先生は昭和の昔ながらの指導なのだろうか?


これじゃあ、わざわざ改名して共学から女子校に変えて、教師と生徒の信頼関係を築きやすくするためにクラス内の人数を減らした意味がない。


若い先生がいないのが残念だ。

漫画やドラマのような若くてカッコイイ男性教師なんていない。


まぁ、女子校にそんな教師がいたら大問題になるようなことが起きるかもしれないからいないんだろう。


教師と生徒の親の相性は良いのか悪いのかはわからない。たまにモンスターペアレントがいるみたいだから五分五分かな?


今時の親は皆、若いから。

私のところの親は四十代
若い世代なのかどうかは不明だ。


私は、聖和中学校が嫌い。

でも今の季節になると屋上からは桜並木や町一帯の景色を見渡せる。


それだけは…悪くないかもしれない。

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