― BLUE ―



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そして変りなく季節は流れる。
1番キレイだという秋の夕焼けは、どうやら見れそうにない。


バイトは辞めた。なので必然的に中嶋くんとは、会う機会もなくなっていた。

中嶋くんとは映画をみた程度。あとはメールのやり取りだけで、それからはとくに何にもなかった。

あの3人組に囲まれた一件があったからでもなく自然に連絡が薄れてきている。

屋上へはもう寒くて出られない、そんな季節。だけどあたしのポケットには、変わらず屋上の鍵を忍ばせてあった。

使うことのなくなっている鍵がなんだか妙に寂しそうに見えたのでリボンをつけてあげる。

相変わらず杉本の名前が写し出されることがない携帯だったけれど、待ちうけ画面は変っていた。

杉本とあたしの写真だ。

それはあたしが屋上で携帯をいじっていたとき撮ったもの。お気に入りの最新曲をダウンロードして、ぼんやり時間を過ごしていた。


『まだその写真?』


携帯を覗きこんできた杉本が、あたしの待ち受け画面を見て呆れたように笑った。


"んー…じゃあ、一緒に撮って"

『なんだそれ? 誰でもいいのか!??』


へんな奴〜〜と言いながら笑っていた杉本だったけれど、携帯を眺める時間が明らかに増えるほどのいい写真が撮れた。

出来のいいツーショット写真はそのままそこに貼りついている。

そしてあたしはまたそれを眺め、あのときの杉本を思い出し頬が思わず緩んでしまう。


ふふ。

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