― BLUE ―
同じクラスではあっても、教室であたしたちが親しく話すことはない。そこにはとくに理由はないのだけれど、なんとなくずっとそうだ。
最近は屋上でも会っていないので、目が合うことはあっても会話をすることが減っていた。
「あのさ」
「……」
「辻?」
「あ、ああごめん。なに?」
驚いた。教室で喋りかけてくるだなんて珍しいことなので返答まで間を開けてしまった。
「あのさー、おまえ冬休みってさ、なにしてんの?」
「んー、えっと…」
特に予定のないあたしは返答に困ってしまう。
「あ、ヒマ人? んじゃ俺も暇な時に連絡する」
「あ、うん。わかった」
杉本から初めて受けた“約束”
これ“約束”だよね?
冬休みかあ…。
気のせいではないほど、なんだか冬休みが少し待ち遠しい気持ちになってきた。
なのに、
「……うそ」
あたしの冬休みは追試の上に補習と言う付録までついてしまう。補習は午前中だけだったけれど年末ギリギリまであった。
「あ、なにマコ補習? やだちょっと、なんていう顔してんの?」
「だってぇ。あーー…なんかヘコむ…」
恨むべきは、あたしの脳みそだ。
「千草も補習だって」
「うそまじで」