― BLUE ―
「首からぶら下げとけば?」
そう言って悪気もなく楽しそうにケラケラ笑う。
冬休みになってからあたしは携帯が気になってしょうがない状態が続いていた。
そういえば一度だけ携帯を家に忘れて出て来たことがあって。忘れて来たことに気付いた時から、それはもう全然落ち着かなくて補習どころじゃなかった。帰りなんかは超猛ダッシュで帰ったのだ。
まあ、着信はなかったわけだけど。
もしかしたら杉本を着信拒否設定しているんじゃないかって思うほど、鳴りそうもない携帯。
あたしから連絡するっていう手もあるんだけれど、連絡するって言われた手前しにくいのもある。それにやっぱりどこかであたしは"たまたま"を期待しているのだと思う。
あたしたちのはじまりは"たまたま"
連絡や約束しなくても会えるという自信が、夏休みのあのときのようにだんだんと薄くなっていく気がした。
学校があるときだと、会いたいと思ったときにはいつもとなりにいた杉本。休みの日は、あたしを少し不安にさせる。
この気持ちがなんなのか、わからないまま。