― BLUE ―

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「最近は便利になったわね〜」


いよいよ大晦日。


「昔はお正月になるとね? どの店も閉まっていたから、もっとたくさん色々と買い込んでいたのよ」

「ふーん」


母が言うこの台詞を、あたしは毎年のように聞いていると思う。というか恒例行事。


「あら、どうしたの? 今日はなんか気合入ってるわね?」

「そうでもないけど」


じつは今日のあたし。杉本と会うのに(おまけもいるけど)お気に入りの服なんか着ちゃっている。

そこまでするつもりはなかったけれど、髪の毛も久しぶりに巻いてみた。

気がついたら鼻歌まで歌っている始末である。なんか相当浮かれている。


「いってきまーす!」


待ち合わせは駅前だ。

あたしがいつもマックの2階から眺めていた場所。そこで初めて杉本と待ち合わせをすることになっている。

だけど気持ちが急いたせいもあるのか、約束の時間よりかなり早く着いてしまう。

もちろん杉本の姿はまだそこにはない。携帯の時計を確認した後、周囲を見渡した。

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