― BLUE ―
「なんだ男連れじゃん」
あたしの手を掴んでいた男達は、ちょっとした捨て台詞を吐き出しながら再び仲間のところへ去っていく。
「遅れてごめん、本当に」
「うん大丈夫」
走ってきてくれたしね。
そして杉本の少し後の方から小走りで駆け寄ってくる女の子が見えた。その子が杉本の家庭教師をしている子だということは、すぐにわかる。
「シンちゃん急に走らないでよーー」
甘えた声。
シンちゃん。
この間はテンパッていてよく見れなかったけれど、髪はふわふわで肩につかないぐらい。背はあたしよりも小さくて、クリクリした目は笑うと垂れ目になった。
「奈美がさ、あ、奈美ってこいつね。準備トロくて」
走り寄ってきた奈美は杉本の腕をしっかりと胸に抱き、頬を膨らませている。
「え〜〜、だってぇ。シンちゃんが急かすから余計に遅くなったんじゃん」
そして視線を移し少し上目遣いであたしを見た。
「こんばんはぁ、奈美です」
「——あ、どーも」
あたしと奈美の出会い。
奈美は見るのも毒なほど、とにかく杉本にまとわりついている。
家庭教師をしてると言っても中3だから、あたし達とは1歳しか違わない。他人が見れば普通のカップルだ。