御曹司と偽装結婚はじめます!
――博美みたいに愛する人とゴールインできるんだろうか。


今日の博美は本当に幸せそうだった。
旦那さまと時々アイコンタクトをして気持ちを通わせていた姿は、うらやましいとしか言いようがなかった。


「ねぇ、私どうしたらいいのかな……」


子猫には難しすぎる質問に、耳をピクッと動かして返事をするので、笑ってしまう。


「おやすみ」


香川さんが言うように、少し体が重い。
風邪をひいてしまったかもしれない。

私はありがたく布団にくるまり、目を閉じた。



翌朝、「ミャーア」という小さな鳴き声で起きた私は、すぐに子猫を抱き上げた。


夜中に何度か起きてみたものの、子猫は気持ちよさそうに眠っていた。

「おはよ。お腹空いた?」


私の質問にか細く「ミャ」と鳴く子猫が、本当にかわいい。


「ミルク持ってくるね」


時計を見ると、まだ六時。
香川さんを起こさないように、ミルクが置いてあるリビングに忍び足で近づいた。
< 24 / 32 >

この作品をシェア

pagetop