御曹司と偽装結婚はじめます!
でも……寝室のドアを開けたままにしてしまったので、子猫がついてきて「ミャア」とまた鳴き声を上げる。


「しーっ」


振り向いて鼻の前に指を立てたものの、当然伝わるはずもなく、余計に鳴かれてしまった。
すると……。


「起きたのか」


リビングのドアから香川さんが大きく伸びをしながら出てきた。


「ごめんなさい。起こしてしまいましたよね」

「いや、気にしなくていい。おー、歩けるまでに回復したか」


香川さんはそう言いながら子猫を抱き上げる。
本当に好きなんだろう。


「看病お疲れさま」


彼が私にそう言いながら優しく微笑みかけてくれるので、目が泳いでしまう。


「看病だなんて……。あっ、ミルクを……」


恥ずかしくて慌ててそう言うと「そうだな」と彼はリビングに戻っていく。


「雨宮さん、ミルクあげてくれる? ちょっと出るから」


「はい」と言ったものの、こんな時間に出かけるって、いったいどこに?
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