プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
ミシェルブルーといったら、有名な下着メーカーだ。
テレビCMでもおなじみ。
清美おばさんの考えがすぐにわかった。
下着メーカーと組むことで、アパレル業界での地位を強固なものにしようというのだ。
まさに“然るべき婿どの”。
私は写真を封筒に戻した。
「あら、日菜ちゃん、どうしたの? 気に入らない?」
「あ、ううん……」
「ほら、ねえさん、日菜子も突然でびっくりしてるし。今夜はその辺で」
身を乗り出した清美おばさんをお父さんは隣から宥める。
「でも大事なことなのよ? 牧瀬家とセブンスゲートの命運が――」
「大丈夫だよ。気に入らないとかじゃないから。うん、素敵な人だよね、おばさん」
俯いていた顔を上げ、おばさんに笑いかけた。
頬が引きつっているのは自分でもわかった。
でも、仕方ない。
これは決められていた私の道なんだから。
それに異議なんてなかったのだから。
「ごちそうさまでした」
箸を置いて立ち上がる。