プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
◇◇◇
最悪の気分だ。
わかっていたこととはいえ、こんなに早い段階で結婚の話が進むとは思ってもいなかった。
想定外も甚だしい。
さっき見せられたお見合い写真を思い返す。
……確かに見た目は爽やかな好青年だった。
でも……。
ああ! なんなの、この胸のモヤモヤは!
戻った自分の部屋で、枕を抱えてベッドの上をゴロゴロと転がった。
自分の心の中に“やっかいな部分”を確認してから数日、ずっとこんな感じだ。
仰向けになったまましばらくそうしていると、部屋がノックされた。
上半身だけを起こして「はい」と返す。
すると、入って来たのはお父さんだった。
どこか様子を探るような目で私を見る。
「どうかしたの?」
完全に身体を起こして、私はベッドに腰を掛けた。
「ん、あ、いや……」
さっきの清美おばさんの私に対する猛攻を気にしているのかもしれない。
お父さんは困ったように眉をハの字にした。
そうすると、いかつい顔が途端に情けなくなる。