プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
雪さんに動揺を悟られまいと、全神経を研ぎ澄ませた。
「どちらに行っていらしたんですか?」
「え? あ、うん。ちょっとコンビニに。指を切っちゃったから絆創膏を買いに……」
神経を鋭敏にしたつもりが、頭と口には行き渡らなかったらしい。
言葉はたどたどしいし、理由も散々だ。
絆創膏なら雪さんご用達の救急箱がある。
なんせ元看護師だ。
当然のことながら、雪さんはクスッと笑った。
嘘だとバレている。
「祐希様のお部屋ではございませんでしたか? あ、いえ、問い詰めているわけではございませんのでご安心してください。自分の勘が衰えていないか確かめたいのでございます」
まんまと言い当てられてたじろいだ私を安心させるためか、雪さんはすぐに言い加えた。
ただ、“自分の勘”とはいったいなんだろうか。
雪さんの目が探るように私をジッと見る。
根負けして私から逸らしてしまった。
「……祐希の部屋にいたよ。けど、どうしてわかったの?」
雪さんは自信に満ちた顔で「やはりそうでしたか」と言った。