プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「ドアを開けたときに日菜子様の香りがしたんです」

「私の匂い?」

「はい、甘い香りが」


香水は付けていないのに。


「それから、ベッドサイドで空気が動いたんです。人の気配がしました」


空気が動いたって、なにそれ。
しかも、あんな暗がりで。


「盗み見たベッドは、祐希様おひとりのものだけではない乱れがありました」


そこまで言われてしまうと、恥ずかしさに顔が熱くなった。

ベッドが乱れている、すなわち、そういう行為をしていたということになってしまうじゃないか。

驚きで言葉を失うと同時に、穴があったら入りたいほどの恥ずかしさが膨れ上がった。
そこまでお見通しの雪さんには、もう弁解の余地もない。


「で、でもね、そういうことはしてないの。その……未遂だったから」

「そうなんですか」


なぜか雪さんが落胆する。

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