プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「やめてよ、雪さん」


玉砕したのに素敵もなにもない。


「そうだ。雪さん、お願い。お父さんと清美おばさんには内緒にしてね」


ふたりがこんなことを知ったら卒倒してしまう。
祐希だって、ただでは済まされないかもしれないから。


「……はい」


途端に元気のなくなった雪さんは、力なくうなずいた。


「ねぇ、でも雪さんって何者なの?」


ほんのちょっとの香りを嗅ぎ分けたり、目に見えないものが動いただなんて。


「実は先祖に“くノ一”がおりまして」

「くノ一って、女忍者の?」


雪さんは「はい」と頷いた。


「その血が私の中に流れているんでしょうね」

「やだ、雪さん、冗談はやめてよ」


雪さんが忍者の末裔だなんて。

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