プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
「集めます」
それでやっと納得したのか、祐希は口角をほんの少し持ち上げた。
祐希が立ち去ると、ふぅと深く息を吐き出す。
言ってしまった。
やると宣言してしまった。
五百人分のコーヒー豆を集めると豪語してしまった。
とても恐ろしいことを言ったんじゃないかと、今頃になって手が震えてくる。
血の気まで引きそうだ。
そんな状態で席に着くと、隣から美月に「大丈夫ですか?」と心配されてしまった。
祐希は早々と出かけたみたいだ。
姿が見えなかった。
「つい言っちゃった」
「なにを?」
「できるかわからないのに、やりますって」
美月は要領を得ないというように小首を傾げた。
――こうしている場合じゃない。
ぼんやりしている時間は私にはないのだ。
「出かけてきます」
「え? どこに?」
「豆集め」