プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
「日菜子さんは僕の補佐をすることになると思います」
補佐って、なにをどう手伝うんだろう。
一から十までわからない。
こんな状態で大丈夫なんだろうか。
働くことにはなったものの、今さらながら不安が膨らんできた。
「そんな顔をしなくても大丈夫ですよ」
頼もしい言葉が不意にかけられる。
「僕のそばで働くんですから」
そんなに優しいことを言われたことがあっただろうか。
毒舌で厳しいことが常。
その祐希が、“僕がいるから心配はいらない”的なことを言うなんて。
ちょっとした衝撃だ。
驚きの眼差しで見つめていると、「ただし」と言葉が続けられた。
「それを熟読して徹底的に詰め込むこと。いいですね?」
強い眼差しに気圧される。
封筒の中には、会社案内のほかに用語辞典やアパレル関係の専門書などが入っていた。
「期限は一週間です」
「え!? たったの!?」