プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
◇◇◇
「……なこ様、日菜子様」
どこか遠く、真っ暗闇のずっと彼方から名前を呼ばれたような気がした。
鉛のように重い瞼をなんとか持ち上げると、そこにいたのは雪さんだった。
「雪さん……」
目は霞んでいるし、頭もぼんやり。
凝り固まったようになった身体を動かすと、あちこちが痛かった。
テーブルに突っ伏すようにして眠っていたらしい。
「――うそ、今何時!?」
目の前に散らばったラベルシートを見て思い出した。
コーヒーを詰めていたはずなのに、途中からほぼ記憶がない。
「午前六時でございます」
「――ど、どうしよう!」
まだ終わってない!
見たところ、あと半分も残っている。
午前三時までは時計を見た覚えがある。
ただ、そこからはうつらうつらし始めて……いつの間にか眠り込んでしまったみたいだ。
一気に目覚めさせられた。