プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
「私が誰とどこへ行こうが、祐希には関係ない」
じりじりと睨み合う私たちにただならぬ雰囲気を嗅ぎ取ったか、決して退きそうにそうになかった男の人は「なんなんだよ、いったい」と吐き捨てて立ち去って行った。
そういえば、名前すら聞いていない。
「帰りましょう」
「帰るけど、ひとりで帰る」
掴まれた腕を振り解く。
今まで鬱積していた感情が溢れ出しそうになった。
「涼香さんがいるんだから、お店に戻ればいいじゃない」
彼女を放って私を送る意味がわからない。
私はそこまで子供じゃないのだから。
「日菜子さんを放ってはおけません」
そう言われて思い出した。
清美おばさんに言われたことだ。
私に悪い虫がつかないよう、祐希に管理監督してほしいと。
つまり、祐希はその言葉に従っているだけのこと。
「おばさんに言われたことなんか気にしなくていい。今夜はもう男の人とどこかに行ったりしないから」