プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
突き放すように言って祐希に背を向けた。
もう、放っておいてほしい。
「待ちなさい、日菜子さん」
うしろから手首を掴まれた。
その瞬間、理性の壁が一気に崩壊した。
「もういい加減にして!」
つい大きな声になる。
通行人が私たちを見ながら行き過ぎるのがわかった。
でも、それに構っている心の余裕はなかった。
「私の気持ち、本当は知ってるんでしょう? それに気づいているなら、これ以上私に構わないで!」
祐希の目に力が込められたように感じた。
私の手首を掴んでいるその手にも。
「……どうなっても知りませんよ」
祐希はそう言うなり、歩道から道路に出てタクシーを呼び寄せた。
私を無理やり乗せ、あとから祐希も乗り込む。
“どうなっても”とは、どういうことなのか。