プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
睨むように祐希を見ていると、不意に彼に抱き上げられてしまった。
「ちょっと! 祐希ってば! 下ろしてよ!」
腕の中でじたばたともがく。
マンションに入って行く人から、好奇な目を向けられてしまった。
痴話げんかとでも思われたか。
「暴れたら落としますよ。それとも、今すぐここで口を塞ぎますか」
動きを止めた私の横をおそるおそる住人が通っていく。
恥ずかしさに顔を手で覆った。
人を避けるためかエレベーターじゃなく非常階段を使って二階へ上がる。
祐希はたくさん並んだうちのひとつの扉の前で私を下ろし、逃げないように手首を掴んだまま鍵を開けた。
入るよう促されて、暗い玄関に立つ。
祐希がライトを点けると、そこから部屋が見通せた。
1DKらしき間取り。
部屋へ続く短い通路の両脇にトイレとバスルームか、扉があった。
祐希に引っ張られるようにして中に入って驚かされた。
ベッドと小さなテーブルがあるだけの殺風景な部屋だったのだ。
女性と一緒に住んでいるような気配はどこにもない。