プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
「え? そんなに決まってる?」
片手を腰に当ててポーズを取ると、祐希の口からは盛大なため息が漏れた。
「色キチガイだと言っているんです」
え……色、キチガイ……。
「……ひどい」
これのどこがそうだというのか。
それを言うなら、祐希の格好はどんよりとした根暗カラーではないか。
そう思ったものの、それを口に出せばさらに言い返されることはわかっている。
奥歯に力を入れてぐっと堪えた。
一昨日の夜、祐希から仕事関連の資料をもらって、それらを指示通りに熟読した私。
理解したかどうかは別として、すっかりやる気がみなぎってきた。
奮い立つ気持ちを持て余してしまい、それをジョギングで発散させようと思い立ったのだ。
その資料によると、セブンスゲートの設立は今から約二十五年前の一九九二年。
私がちょうど生まれた頃だ。
従業員数千五百人弱。年商は一千四百億円。
事業内容は紳士服、婦人服、子供服から身の回り品の企画製造。
ブランド数は三十種類あるらしい。
娘の私ですら全部把握していない。
今のところ業績は順調に推移しているようだった。