プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「準備運動はやったほうがいいですよ」

「……あ、そうだよね」


いきなり走り出してアキレス腱断裂なんて洒落にならない。
祐希を真似て片足を伸ばしてしゃがむ。


「違います。こうです」


お気に召さなかったのか、すかさず祐希が背後に回り、私の膝を上からぐっと押す。


「イタッ」

「文句を言わない。しっかり伸ばしておかないと怪我の元です」

「……はい」


トレーナーのごとき祐希に指導されてストレッチを終えると、それだけで心なしか身体がポカポカ温まったようだ。
普段伸ばさないところを伸ばして背筋がピンと張ったおかげか、身長まで伸びた気がする。


「ね、なんか祐希に少し追いついた気がする」


手の平を下にして私の頭のてっぺんから祐希に向かってスライドする。

背くらべだ。
その手は祐希の頬に軽く触れた。

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