プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

祐希は、頭ひとつ分とはいかないにしろ私より背が高い。
私が百六十二センチだから、おそらく百八十センチ近いだろう。

運動といえば自宅の階段の上がり下りだけの私に比べ、祐希はまめにしている。
そのおかげで身体は引き締まっているし、薄手のロングTシャツの胸元は軽く隆起するくらい逞しい。
それを改めて近くで見て、柄にもなくドキッとしてしまった。


「……本当に能天気ですね」


……むぅ。
私の唇が尖ったのは言うまでもない。


「それじゃ行きますよ」


そう言うなり、祐希がゆっくり駆け出す。
そのあとを追うように私も足を踏み出した。


「会社案内に祐希、載ってたね」

「えぇ、まぁ」

「第二事業本部販売部って、新店の立ち上げから商品の選定まで幅広いことをやるんだね」


会社案内の祐希は、新店開店時の苦労や消費者ニーズに合わせることの難しさについて述べ、それ以上にだからこそのやりがいを感じていると語っていた。

“まーちゃん、ダサイやー”が“マーチャンダイザー”だということもわかった。

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