プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
祐希の紹介に「牧瀬です」と頭を下げた。
「店長の渡辺です」
目線だけ下げて挨拶がわりだ。
おそらく私と年齢は同じくらい。
若い部類に入るんじゃないだろうか。
なんせ付け焼刃のセブンスゲート研究。
店長たちの詳細までは把握できていない。
私の横で祐希はすでに店内のチェックに入っているのか、しきりに視線を動かしているようだった。
そして堪えきれなくなったように足を踏み出す。
「店奥のディスプレイがちょっと見えづらいですね」
通路から遠目で店を眺めた祐希が言う。
「商業施設に出店したからといって入店率が高いという時代ではありませんから、数ある店舗の中で選んでいただくためには“わかりやすい”ことがポイントです。情報をキャッチしやすいこと、なにを扱っているのかパッと見てわかることが重要です」
お店の真ん中に配置されていた二体のトルソーを一体ずつにわけて、祐希が陳列棚の脇に移動させる。
そうしただけで、店の奥まで通路から見通せるようになった。
さらにはトルソーの洋服を脱がせ始める。
渡辺店長はそれを手伝い、祐希は店内を物色して新たな洋服をトルソーに着させた。