プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「大変でしたね」

「いえ、すごく楽しかったです」


念願の初就職。
夢にまでみた仕事。
楽しくないはずがない。

私の反応は予想外だったのか、江橋さんは少しだけ驚いた表情を浮かべた。


「それならよかったです。初日で嫌になったんじゃないかって心配していました」

「……ありがとうございます」


入社したばかりの私のことを気にかけてくれていたなんて……。
ちょっぴりウルッとしてしまうのを懸命に堪えていると、私の横に人の気配を感じた。


「私語厳禁。服務規律はまだ読んでいませんでしたか?」


頭の上から言葉が降ってくる。
祐希だった。


「あ、ごめん、まだ――」


そこまで言って慌てて口をつぐむ。


「申し訳ありません。用語集だとかばかりに気を取られていたので……」


丁寧に言い直した。

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